バリデーション療法とは、認知症の利用者の言動を全て意味があるものとして捉えるコミュニケーション方法です。これにより、認知症患者の感情表現を促し、病状やストレスを軽減させる効果があります。
バリデーション療法で重要なのは、利用者の話を聞き、心に寄り添うことです。
例えば、認知症の方が「部屋に人がいる」と言い、実際に見当たらない場合には「誰がいますか」「どこにいますか」などと質問をし、相手の話を聴いて理解しようとする姿勢が大切なのです。
決して否定したり、無視したりしてはいけません。相手のペースに合わせて共感することで、緊張をほぐし、信頼関係を築くことができます。
また、極端な表現を用いて相手の感情を引き出す方法も効果的です。例えば、認知症の方が「ご飯がおいしい」と言った時には「人生の中で一番おいしいですか」と訊くことで、感情を増幅させることができます。
逆に「ご飯がまずかったことがあるのですか」と訊いて、話を引き出すのも有効です。言葉を話さない場合には「良い匂いがしますね」や「スベスベですね」など、嗅覚や触覚からのアプローチも効果的です。
さらに、相手の肩や手に優しく触れることで、安心感を与える場合もあります。
他にも、利用者が好きな曲を一緒に聴いたり、歌ったりすることで心の距離を近づける方法もあります。
認知症と一口で言っても、病状や性格は人それぞれです。一人一人に合ったバリデーション療法を用いて、コミュニケーションを図ることが大切なのです。
認知症の方と向き合うことは非常に難しいことです。中には、どう接したら良いのか悩んでいる人もいるでしょう。そんな方は、こうした認知症の介護療法のことを知り、日々のコミュニケーションに取り入れていくことをおすすめします。